湯呑み 
服部 剛

あんまりがんばり過ぎちゃうと 
ぐったり疲れてしまうので 
心の中にたった一ヶ所 
小さい風の抜け穴がほしい 

あんまりまじめに働くと 
人々の囁く声が気になって 
ろくに寝れなくなるので 
一つ位は、仕事を置いて帰ればいい 

ある日、湯呑みになみなみ入れ過ぎて 
どっと溢れてしまってからは 
ちょっと、控えめにそそいでいます 

「いのちの息は一体何処を巡るだろう?」 

そう問いながら、私は覗く 
湯呑みの余白の空間を 








自由詩 湯呑み  Copyright 服部 剛 2011-11-03 23:58:58
notebook Home 戻る  過去 未来