魂の器 
服部 剛

僕等は、いつのまにか 
否応無く人生という列車に乗っていた 

やがて、この列車は 
御他聞漏れず地上から浮遊してゆく 

いつか、必ずブラックホールの暗闇を 
一度は通過するという 

だから僕はあの日、飲み屋の暗がりで 
友達に「この世は夢だ」と語らいつつ 
互いのグラスを、重ねた 

もし、この世が全て消える 
夢ならば 
僕は魂の器を沈黙の闇にそっと置いて 
何処からかそそがれる 
ひかりの液で充たし

この胸に輝きを増すたった一つの魂を  
今日という日に、放射する 








自由詩 魂の器  Copyright 服部 剛 2011-10-20 20:35:39縦
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