残りもの家族 
服部 剛

今夜も、仕事から帰った家で 
待っていてくれた嫁さんの 
台所で、とんとん
野菜を刻む音がする  

僕の安月給でやりくりする 
我家の食卓 
  
昨日炒めた野菜の残りでつくった
焼きうどんの上で  
鰹ぶしがめらめら踊っている 

赤ちゃんをだっこする嫁さんと 
今日の出来事を語らいながら  
昨日よりも出汁だしみ出た
うどんをするするすする 

「残りものってうまいねぇ・・・」 

「残りものには福があるって言うからねぇ・・・」 

安月給で暮らす僕等も、ある意味 
社会の残りものかも?しれないが 

今夜の食卓に並ぶ 
焼きうどんといくつかの 
あたり前の顔をした素朴なおかず等で 
残りもの家族の僕等のお腹は 
「福」で一杯になりました 








自由詩 残りもの家族  Copyright 服部 剛 2011-10-13 19:44:08
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