太陽の国
服部 剛
安っぽい微笑みは、もういらない。
ほんとうは自然な笑みを浮かべる
案山子
(
かかし
)
になって突っ立っていたいものだが
この世には、隙を伺う者があり
調子に乗ってる奴があり
土足で踏み込む
輩
(
やから
)
もあり
たとえそれが本意でなくても
般若
(
はんにゃ
)
の面を、被らねばならぬ
木刀で周囲の邪気を、斬らねばならぬ
全ての
芥
(
ごみ
)
が火中に消え去れば
般若の仮面を剥がした顔は
白く輝く太陽になるだろう
隣の人も仮面を剥がし
その隣の人も剥がし
太陽の顔はつらなるだろう
そして頭上に昇るまことの太陽は、照らし出す
手をつないで輪になる、僕等一人ひとりの素顔を
自由詩
太陽の国
Copyright
服部 剛
2011-10-07 23:14:21
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