裂け目から
yozo

生か死かではなく
それはサミシイの代わりだとテレビから男がいう
傷みたくうっすらと微笑みが頬にはりつく。
亀裂といって
それは彼と彼女の明後日や羽化もそう
ほんの少し疼くような女なら知ってる痛みに似てる
男の子にも平等に。
入りたい入りたい
本当は帰りたいなのに言えないから可愛そう
唇をねじ曲げながら小さく繰り返してる。
今も聞こえる
誰か言った

ここはやっかいなことに暑いや寒いを順繰りで
怖がって背中を向ければどこからか切りつけらるから
ヒーローショーの着ぐるみバイトくらい汗だくに逃げないと
見えないとこから迸る正義だっていう鮮血で汚れてしまう

朝、布団から這い出る感じでいけばいい
謳い続ける夢はひとりでに溶けて滲んでいく
タイミングを計るのは
誰よりも見ていて欲しいからじゃないのかと思う
「恥ずかしがる必要はないけれど
 いつまでも同じ形の物が無いことは覚えていて」
君は静かに笑ってたように思う

どうしようもなく
ただただ煌々と輝く細いそのひとすじに
そこをくぐり抜けた記憶が
瞬間の闇と先に見えた光が
これから起こるかもしれない奇跡としてなのか
伝説として語り継がれた不確かな記録のようにある

手をかざすと熱くて涙がでる
声が出ないよう必死に唇を覆う






ポエニク@ゴルより
タイトル素晴らし感謝



未詩・独白 裂け目から Copyright yozo 2004-11-19 21:12:52
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