亀のつぶやき 
服部 剛

今日の入浴介助は 
全身をばねにしてバリバリ働くAさんと 
一人すろーに働く僕のペアで 
一人のお年寄を介助する間に 
Aさんは三人位してそうで 

天井あたりから
数時間の動きを見ると 
何だかとっても滑稽な 
チャップリンの無声映画に見えて来る 

昔は介護に関しては 
(早けりゃいいってもんじゃない)
と頑固に愚痴ったものだが 

中年親父になりつつある僕はようやく 
(世の中は、兎と亀で回ってる)
ということがわかってきた 

亀の歩みの僕でさえ 
日々の暮らしを人並に 
汗水垂らして生きてると 
いつのまにやらとっぷり陽は暮れ 
夜の公園のベンチに腰かけ 
上から照らす街灯を頼りに 
こんな詩をノートの白紙に綴っています 

亀はじいっと、考える 
一日の快い疲労と共に
自分の信じる世界を創る 
素晴らしい明日の舞台を夢に見て 








自由詩 亀のつぶやき  Copyright 服部 剛 2011-09-04 22:26:38
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