逢いたくなったから、今夜も手紙を書きました。
愛心
無性に淋しい夜。
ぼくは泣きながら、送るあてのない手紙を書く。
ベッドの一番近く。
小さなランプを点けて。
真っ白な画用紙、使いなれたペン。
カーテンは開け放し。月の光、こんばんは。
本当は言えない。
知らないで。ぼくの想いを。
醜いから。嫌われたくないの。
つらつらと言葉を重ねる、ぼくは
まるで我が儘なお姫さま。
嫌われることを知らない、世間知らずなお姫さま。
ぼくは淋しがりなんだよ。言わないだけで。
だって疎まれたくないんだ。
お願い。声を聞かせて。
ぼくを見て。ぼくに触れて。
もっと、もっと、愛して。
ねぇ、マイダァリン。
滲んだ文字。月の陰影が見せる
きたないぼく。
ペンを置き、破りとる。
乱れたぼくのラブレター。
ランプの灯を端に移して。
月に昇れ。灰になって、きらきら。
泣き声に乗せて、唄おう。
ぼくのメロディ。
愛して、愛して。淋しいの。
夜に溶けて、グッバイさよならまた明日。
ランプの光を消すように、今夜もぼくは夢をみる。