妻の寝顔 
服部 剛

夢の中に美人女優が現れたので 
ふら〜りと吸い寄せられていったら 
ぱっと姿が消えて、目が覚めた。  

隣には、妻が小さいいびきをかいていた。 

起き上がって、ソファに腰を下ろすと 
机の上には  
先に寝てしまった後、深夜まで 
妻が打ってくれた僕の原稿が印刷されて 
そっとノートに、挟んであった 

原稿を手にした僕は 
無垢な姿で両手を胸にあてた 
世界にひとりのひとである 
妻の寝顔を、しみじみ眺めた 








自由詩 妻の寝顔  Copyright 服部 剛 2011-08-11 23:11:24縦
notebook Home 戻る  過去 未来