声援
服部 剛

デイサービスに初出勤の日 
助手で乗った送迎車の窓外に 
前の職場の老人ホームを去る時 
手を握りあったお婆さんが散歩道で 
杖をつき、せっせと坂を上っていた 

( 僕も、新たな日々の坂道を 
  意気揚々と、上りたい――― ) 

無言で誓う僕の目線の先に 
お婆さんの姿は 
瞬く間に 
小さくなっていった 






 


自由詩 声援 Copyright 服部 剛 2011-08-04 23:40:52
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