おとなのえこのくに
あおば

                  110609




日が経つと
降り積もった雪も堅くなる
かじかんだ手でスコップを掴み
腰を伸ばし
柔らかそうなところに
突き立てた
音もなく入っていく刃の先が
とらえどころのない不安に怯え
立ち止まるのか
柄が潜ることはないが
堅くなった雪は重い
プロレベルのジューキが唸りを立てて街道を走るが
狭い枝道には入らない
ここまでは来ない
戸口の前まで1時間費やして雪掻きをした
大人になると雪が重くなる
今年も春が待ち遠しいが
雪が降らないと水不足となり
夏に不便をかけることになると
遠慮しながる降るためか
堅さもイマイチで
へっぴり腰でも除雪できるのが少しだけ悲しい
雪が無くなると花が咲き
賑やかになると
ジューキは何処かに行ってしまうようで
走らなくなるが
スコップを持たなくなった私は
手持ちぶさたに道草を食ったりして
忙しそうにしている


自由詩 おとなのえこのくに Copyright あおば 2011-06-10 01:15:23
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