恐怖についての推察
相差 遠波

赤ん坊が
眠りの前にグズるのは
出来かけの『自我』が
眠りによって
消えてしまうのではないか?と、
言葉にする能力もなくただ浮かんでくる
恐怖と不安からではないか?
そう最近思う

そうすると赤ん坊は
毎晩 毎回
『死』を体験している事になる
何と恐ろしい・・・

老人が
夜も明けぬうちから目覚めるのは
残り少ない『寿命』が
眠りによって
消えてしまうのではないか?と、
言葉にする事もできずにただ浮かんでくる
恐怖と不安からなのだと
誰かが言っていた

そうすると老人も
毎朝 毎回
『死』を目の前にしている事になる
何と恐ろしい・・・

その間である自分は
明日もあたりまえに自分の命や
自我や
愛しい人の命が有ると思えた日々が
どんなに大切であったかを
現在 涙を流して感じている

20110525


自由詩 恐怖についての推察 Copyright 相差 遠波 2011-05-25 14:20:37
notebook Home 戻る