こころの家 
服部 剛

こころの中に 
一つの家を建てよう 

どんなに激しい嵐にも 
どんなに揺れる地震にも 
決して消えることの無い、一つの家を 

地面に膝を落とす、日も 
涙の絞り落ちる、夜も  
こころの中にある
一つの家に入れば何者にも邪魔されず 

私は私を、回復する 
私は私を、充足する 

瞳を閉じて、見えてくる 
こころの中の一つの家に 
古い木目の机があり 
一冊の本が、置かれている 

世界の誰にも代われない 
私という人のまことの名前を記された頁が 
窓から吹く風の掌に、開かれる 








自由詩 こころの家  Copyright 服部 剛 2011-05-14 23:55:21
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