空から降るもの
Seia


ある日何かが落ちてきて、
頭に当たった
痛い、凄く痛い
地面に落ちた音がして
そこを見ても何もない
手を伸ばすと 感触だけで
これが何だかわからない
何が何だかわからない

不思議な事もあるもんだと
その場を去ろうとしたら
後ろから誰かがやってきて
透明な物に引っ掛かって転んだ

その人はそれを拾い上げて
「見付けた!」と叫んで行ってしまった

それは もしかしたら 私が欲しかった
「答え」だったのかもしれない



また 何かが落ちてきて、
頭に当たった
痛い、やっぱり痛い
地面に落ちた音がして
そこを見ても何もない
手を伸ばすと 感触だけで
とりあえずバックに入れて
大事に取っておく事にした

ふと回りを見渡してみると
頭にこぶがある人
足にギプスをはめている人
そこらじゅうに痣がある人がいた

その人はきっと 私よりも
「答え」を多く持っている


絶えず 空から降るものは
絶えず 誰かを傷付けて

幾つもある「答え」を提示して
一つでは無い事を 教えている


自由詩 空から降るもの Copyright Seia 2011-04-17 00:24:57
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