幕開けの詩
服部 剛
遮断機の棒が塞いだ
目の前を列車は瞬く間に走り抜け
突風に泳ぐ前髪は、唄い出す
焦
(
じ
)
らすように長い間道を塞ぐ
赤ランプの音と
邪
(
よこしま
)
な棒が上がる迄
じっと身じろがず、踏む
アスファルトの地割れの土に深く根を張り
地の下から
蠢
(
うごめ
)
く力を胸の鼓動に貯えてから、
僕は往こう。
かん・かん・かん・かん・かん
全ての風の止む後に・・・
日常の物語という舞台の上で
遮断機の向こう側を塞ぐ
横縞の棒は、ゆっくり開く
自由詩
幕開けの詩
Copyright
服部 剛
2011-04-06 01:10:58
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