春の夢 
服部 剛

自分の素顔を忘れそうな日は 
林の中へ吸い込まれ 
木陰に腰を下ろし 
正午の空に輝く太陽を仰ぐ 

まっ青な空に向かって張り巡らせる 
桜の枝先に 
春をずっと待ちながら 
全身にひかりを浴びる、無数の蕾 

いつしか瞳を閉じて 
うっすら唇を開く私は 
あの暖かな陽に包まれた 
蕾になって、枝先にゆれる 








自由詩 春の夢  Copyright 服部 剛 2011-02-24 20:20:41縦
notebook Home 戻る  過去 未来