幸福の本 
服部 剛

私という人間は、一冊の本なのです。 

四角いからだに手足を生やし 
不恰好に揺れながら 
人々の間を往くのです 

私が通り過ぎる時 
誰もが振り返り 
「何だい奴は」とわらいます 

こんな私もいざ、という日は 
思い切って自らの身を、開きます。 

その字面じづらに埋め尽くされたページの宇宙に 
たった一行の空白があり 
 「      」 
あなたをぱたん、と閉じ込めます。 








自由詩 幸福の本  Copyright 服部 剛 2011-02-24 20:06:08
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