不思議な目
服部 剛
机の上に置かれた
黒い本の中に
うっすらと、顔がある
自分の貧しさに震える私と
遥かな昔に交した約束を
今も語っている
蝋燭の火が
風にふっと、消えた
暗闇からこちらを視つめる
あの人の、目
自由詩
不思議な目
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服部 剛
2011-02-02 00:14:07縦