Sad Chord
ゆうと


悲しい旋律が好きなんだ。希望じゃ救われないんだ。
絶望の淵に立っているのも希望と呼べるだろうか。
流星が沼に落っこちた。後追いはしなかった。

スケートリンクの下で今日も一戦交える。
見ていないから好きなことをしていいよと言われたけれどスパイがどこかに隠れていてもおかしくない。
翌日記者会見を開いた。ユーストリームで生中継したが視聴者はゼロ。
よくよく考えてみれば部屋にひとりだった。コードで人と繋がれるわけがない。

寝ても覚めても夢の中にいるような心地は、ポエマーなら夢心地と片付けるかもしれないが睡眠薬を盛られていたのかもしれない。
そういえばあのレストランでのオムライスはおいしかった。どうりで。合点がいく。
水を一口も飲まなかったのが敗因だったかもしれない。
だけどその直前に頓服薬を飲んでいたので、万が一水と見せかけてのアルコールだった場合危険なのでやめておいたのだ。
勇敢な判断だと思った。常々思っていたことだったけれど、後々思い返すとすべてが恥ずかしくなることだった。

年齢に泥を塗ることはいい。汚くなることに生き甲斐を感じなければ人はいずれ死ぬ。
早くからそれに気づいた人は瞳の奥のほうに色がないという。正真正銘の黒だ。
それにあこがれた。

そうしてこの沼、いや絶望の淵に辿り着いたのだけど、どうだろう。
ユーストリームをご覧の皆さん、黒いですか。色はありますか。どうですか。
あ、コメントが。

>「見ていないから好きなことをしていいよ」

自作自演乙。w xyz.




自由詩 Sad Chord Copyright ゆうと 2011-01-19 01:44:12
notebook Home 戻る  過去 未来