血潮
ゆうと



なにがあってもきみしかいない
いま、ぼくの生涯がつくられている
かたちを変えてゆく
まだあたらしいいきもの
きみはその、ひとりで
ひとりきりなのに
てのひらふたつもっていた
それが気になっただけだった
すこし目をとじたうちに
消えてしまってもよかった
きみは、ひとりで
ひとつの心臓をもっていた
液体がながれる音
耳をすますたびにきこえた
ぼくも、ひとりで
ひとつの心臓をもっていた
とても自由だった
それでもあたたかな
てのひらふたつもっていた
それだけのことだった

なにをもって、きみというのだろう
しかし
なにがあっても、きみしかいない
それだけはたしかだった
ぼくの核心をついたのは
ただそれだけの真実だった





自由詩 血潮 Copyright ゆうと 2010-11-26 00:31:56縦
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