まっしろな未来
ゆうと



手のひらをひろげてもなにも返ってこない。
わるいことばかりおこる気がするけれど
そんなことはない。
どうしてこんなことばかりおぼえてしまうんだろう、
どうしてたいせつなことをわすれてしまうんだろう。
わすれたくないから、何度も反芻する。
いいことだけをポケットにしまって
あたたかくしておきたい。
つらくなったらポケットに手をつっこんで
まだ大丈夫だと思いたい。
いつかちゃんとたいせつなひとの手を
ぎゅっと握りしめたい。
いつかちゃんとたいせつなひとを
抱きしめてたいせつにしたい。
ただそれだけ、ただそれだけなのに
ぼくらは求めすぎてシンプルになりきれない。
どうしてこんなことになってしまったかなあ、と
くるくるくるくるしている。
そんなことより前を見てしあわせを感じたい。
ただもうそれはシンプルに
ばかみたいに希望を信じてたあの頃みたく
ただひたすらに歩きたい。
明るいのか暗いのかもわからない、ただまっしろな未来に
すこしずつ、けれどもしっかりと、色を描いてゆきたいんだ。





自由詩 まっしろな未来 Copyright ゆうと 2010-11-20 01:58:36
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