わたしたちの鴻溝
アオゾラ誤爆

わたし
というのは
ようするに泡だったようにおもいます


電波塔を模した指先には
噛まれた跡があって
手紙を書くたびにそれを思い出すけど
……だって、きずがあるのです

信号は青
その代わり、
まぶたは例外なくあかい
花たちは泣きまねをして
まち中の足音を殺そうとする

壊さないようにしずめる

ふつふつ、
ひと
文字ずつ、
ぷつ、ぷつ、潰、され、る
あ、と、いう
間に

書き損じたかなしみをおもう
いつ
どこに
でもきっとおいてきたのだなあ、と

そんな
歯のすきまを抜ける風のような
やさしさをともなういたみ

……封をする。


また、きえてしまう



自由詩 わたしたちの鴻溝 Copyright アオゾラ誤爆 2010-11-11 22:10:42縦
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