ぷろぐらむ
佐藤真夏



せかいのあちこちに
内緒で敷かれている
内緒の線路を走行する
打ちっぱなしの
コンクリートの
でっかいとんねるは
せかいの中身を
くり抜きながら
こわれた部分を直して
通り過ぎる
風の吹く速さで
いま
わたしを飲み込んで
踏みつけることもなく
通り過ぎた
踏切が降りる音に似た
空気を切る音が、一瞬だけ
聞こえた

バグが
バグが生じ
バグがわたし
わわわたしがせかいのバグに にににいなったたたたた

ととんねるが
走行しま、しました
カンカン
飲み込まれている
通り過ぎたら
なにも変わってはいません
のに
そう言われても教えられてももも、しんじられ
ない
チガウから
違うのでしょう
ここには

った
くるうほど
いいもの
そんざい
あいしてる
やわらかい
血が雨
ちがう
食べられたの
せかいのおくちに
せかいのおなかで
ただしく
溶けたのかな
泡わわわたしは
いつだって
正気なのに



自由詩 ぷろぐらむ Copyright 佐藤真夏 2010-11-04 03:11:42縦
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