三上あず

笑っちゃうくらいに
社会の門は狭くて
ごくごく普通の
一般人だった私には
門番さえ 見向きもしない


今流行りのコミュ力とかいう
得体のしれない力がないと
わずかに開かれた門から
最上階までの階段を
駆け上ることが出来ないらしい


どんな人にだって向き不向きはあるからさ
青春を本に費やした私は
営業なんてできやしないだろ
いっそ研究者にでもなれたらよかったけど
別の社会システムがそれを阻んだ


やってらんないよね もう
いっそのこと無い内定の人を集めて
グループに分けてさ
旅行でもしたらいいんじゃないかな


そうすればほら
空の青いのが見えるだろう
夕焼けの虹色が分かるだろう


自由詩Copyright 三上あず 2010-10-20 02:11:20
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