国境ヨリ越後ヲ望ム(長歌并短歌,増補修正形)
Giton

    .
在上越国境嶺上観望越後而詠。

  .
(長歌)
くにざかひ オキの石根いはね
なづみ立ち ふりさけ見れば
たたなづく 越後の嶺らは
を纏ひ 天あめに立ち立つ
雪被かづき 雲に吹雪ける
谿々の 八十隈やそくま筋は
草埋もれ 雪に隠こもりて
崩るとも 人は踏み行く
てもなほ 人は行き行く
いにしへゆ ただにかくあり
時じくぞ 永遠とはにかくある
人は変はるとも
  .
(反歌)
見遥かす 越こしの山並 際きはを無み
われ現つ世を 暫し忘るも
  .
  .
【語釈】
オキ:オキの耳(谷川岳の最高峰,1977m)
なづみ立ち:よじ登って頂上に立って
八十隈:道の折れ曲がりが多いこと、つづら折れ
いにしへゆ:昔から
時じく:いつでも、つねに
際を無み:果てが無いので
  .


伝統定型各種 国境ヨリ越後ヲ望ム(長歌并短歌,増補修正形) Copyright Giton 2010-10-19 19:29:17
notebook Home 戻る  過去 未来