ふゆうさんぽ

ひとつ
息を吸うたびに
くうきが 肺のそこに届く

吐き出せば
からだは
音の波をかきわけて
くるくると
上に 昇るのだ


追いかけていく先の
もっと上のほうにある
空の高さに
わたしはどこにいるのか、を 知る



あさぼらけ
にじみはじめる空に
あなたの
すうとのびる鼻筋
いっぽん
重なるものは
ひどくおくびょうにないたりして
ちっともつよくなんてなく

たくさんを巻きこむように
流れる やわらかい線の
スピード
それはつまさきから透けそうに
あかるく
わたしは すこし
恥ずかしかった



ちいさな熱に
呼び起こされた風と
すれちがい
丁寧なあいさつをする

それから
ひかりがどれくらい眩しいかを
わすれてしまったように
目をこすりながら
肺のそこから吐き出される息や
湧き上がる声が
どんなかたちかを確かめたくて
ゆっくりと手で さわる










未詩・独白 ふゆうさんぽ Copyright  2004-10-13 18:39:19
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