さかなたべるねこ
ゆうと



誰にも迷惑かけないで
当たり障りのない方向で
車内の携帯電話は捨てて
社内の恋愛報道はスプレーで駆除
噂する奴等は
永遠に改心しないから
ガムテープで止めちゃって
ぐるぐる巻きにしちゃって
触れるのも嫌だから
アルコールで消毒

それでも社会の中で呼吸してんのね
腐っていかない?
それでも社会の外で手招きしてる
声に呼ばれてる

すごく当たり前のこと言って
真っ暗なステージの
真紅のカーテンの裏に
仕込んであるスイッチ押したの

ヘッドホン大音量
誰も気にしてない
誰も気にしてない
ヘッドホン大音量
自分気にしすぎ
気にしすぎだから
ヘッドホン大音量
誰も見ちゃいない
誰もしゃべってない
ヘッドホン大音量
誰も聞いちゃいないし
誰もあんたを知らないから

安心しろ
そこはもう
任せとけばいいって
勝手にしろ
誰にも何にも
自分の助けになんないから

これは
リセットボタンじゃなかった
ダイナマイトでもなかった

ざらざらな心に触れる
体温だけあれば
あとは何も
何も


社会の外から
猫撫で声で呼ばれてる
社会の中では
逆撫でるような不穏な空気


プラグが抜けたら世界が終わるよ





自由詩 さかなたべるねこ Copyright ゆうと 2010-07-05 20:49:14
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