圧縮詩 7〜9
しろう



「今日は死ぬにはとてもいい日だ」


風が吹く
ヒマラヤスギが黙然と口を閉ざす草原で
空気に重さがあること
シルバーアロワナの鱗に始点も終点もないとして
明日が普遍してもいい
八雲を散らす
死ぬにはいい日だ





「たとえば僕が死んだら」


僕が死んだら
祝って騒いで
一番きれいな笑顔で笑って
思い出も僕の名前も思い出さないで
ひとりになったら
カップうどんにして
ふと
わけもなく
涙と一緒にめんをすすって
風呂に入って
歯を磨いて
ちゃんと5分磨いて
あったかい布団で
きっと素敵な夢を見ながら





「ケイオスのうた」


秩序の形而上の生
混沌の形而下の雫
ねぇ
猫にしてくれるの

財布とケータイを落とし
たった一枚のCDを持って
廃墟でタバコに火をつける時の顔
テロメアは至高の発明
ただし人間には少し長すぎる
想いを綴ったら嘘に変わって唖になる
きみのケイオスのうたをうたって








自由詩 圧縮詩 7〜9 Copyright しろう 2010-07-01 20:24:41
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