圧縮詩 4〜6
しろう



「オルソクロマティック」


薔薇が日々を分光する
赤/黄/緑/青
銀のスプーンで掬ってボロネーゼソース
ヒヤシンス絆す姫君は
黒髪でカペリーニを茹で上げながら子守唄
カンブリア紀の黒猫があくびしてちろり赤い舌
薔薇がまたその赤を分光する

赤からすべての色へ

すべての色から赤へ 





「ロストフロスト」


ぼくがうたをわすれて
シンバルのオモチャで
月にかくれた月蝕に倒錯
白薔薇
赤錆
青草
擦過音
白い壁に黄ばんだ幻覚
おまえのペイズリー
パーマネントのスフィア
カラスを抱いて白いサル
爪の先に赤土
白骨を拾い集めながら
おもいださなきゃ
せかいを愛す
うたを





「騒魂歌」


(オーヴァードライヴ)
急激に心室を除細動
見ろよマスター
フレンチ95に吹っ飛ばされたってのに
踊ってやがるぜ
鎮魂しないレクイエム
こめかみからボルトを引き抜いてやるから
バイブレーションタナトス
その顎関節症にパイナップルを
(オーヴァードライヴ)
ひず







自由詩 圧縮詩 4〜6 Copyright しろう 2010-06-30 21:11:49
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