裸足のブリキ
しろう



いつの間にか裸足だった
あてのない旅をしていた

気付いたらここがどこかよく分からなかった
草原を目指していたような気がするが
はたしてここは岩ばかりだ

ああそうだ
この頬をなぜるものが何かはまだ覚えてる
ならばまだ道はある
いつだって風を道しるべにしてきた

風に吹かれるままに
こんなところまで歩いてきた
靴はなくしてしまったが
足うらの痛みがより歩みを確かにする

草原に行こう
のどかな草原に



いつの間にかブリキだった
あてのない旅をしていた

気付いたらこころがどこかよく分からなかった
人間を求めていたような気がするが
はたしてここは岩ばかりだ

ああそうだ
この影を照らすものが何かはまだ覚えてる
ならばまだ道はある
いつだって月を道しるべにしてきた

月に魅せられるままに
こんなところまで歩いてきた
ハートはなくしてしまったが
頭うらの痛みがより歩みを正しくする

人間に会おう
あいする人間に






自由詩 裸足のブリキ Copyright しろう 2010-04-30 18:29:20
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