'10冬
しろう



嬰児が鯖雲のしっぽを手繰る

懐は七十四円火星寄す

マントルを貫き出でし花椰菜

酒がない 猫を研ぎ澄ます

水仙の手習はるる笑み冬の月

南天のうさぎのまなこに目薬を

街灯と語らう恋猫朝ぼらけ

ポケットに「食べられません」詰め 街へ

100マイル進んだ 足の爪を切る

風花や冥土から来たエアメール

もうすぐ荼毘ですね 息はとめててね

窓枠が錆びる






俳句 '10冬 Copyright しろう 2010-04-07 21:59:00縦
notebook Home 戻る  過去 未来