演奏
番田
立ち続けようとする日常に
心を演奏させられているような感覚がする
音楽を 鳴らし続けようとする 風景の中を
他人の心の中として 見つめようとしていた 鍵番は
白黒ですらなくなっていた 指先は何なのだろうか
はじき出されていく 宛名すら書かない手紙を綴っていくように
日没の光はなくさせられていく あるがままの風景として
物語を刻もうとした リズムを たたえる
指先だけだった 音ひとつ 感じなかった
意識ですらないものが 風景にさせられていった
心の中を 待ちわびている感情が 無限の色に
光にすら見えなくなった