希望的観測
因子

なるべく中心から離れていないとだめだ
気づいたらこの世には内輪受けしか存在しなかった、
ただのファンでいるためにはあの世まで遠征しなくては、というふうに
なってはこまるのだ

そとがわからみつめていたい
だけど知りたい
知ることで手にしたような気分に陥りたい
優越感の類似品ばかりを掴まされていくことに
完全な否定の文句を紡ぎだせない

そうだどうせ内輪受けばかりなのだから
わたしはわたしだけにしなければ
なるべく中心を
じぶんのまんなかへんに置いて抱いていなくては

じぶんとそれ以外を
区別しすぎないように区別して
ほんの一部だけ
捨てながら拾いながらゆっくり行く
あと五年
あと十年
あと数十年したら
それができる


自由詩 希望的観測 Copyright 因子 2010-03-02 01:50:25
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