夕方を車で走るということ
吉岡ペペロ
どこへかと向かっている
未来も生産性もない場所へ
こころやたましいを向かわせながら
家へと向かっている
社会制度とは効率と確率を追ったものだ
そこへと向かっているのだ
生殖器ではとどめをさせないだろう
夕方を車ではしるということ
フロントガラスには
群青いろのカルテが広がっている
真理はなくてもメカニズムはある
恋に落ちる
愛に塞がれる
恋には愛がつきものだ
愛にも恋がついている
群青いろのカルテが広がっている
とつぜん叫びだしたいの反対になった
覚悟をきめている
傷ついたっていいさ
傷つけたっていいよ
どこへかと向かっている
未来も生産性もない場所へ
こころやたましいを向かわせながら
家へと向かっている