換気扇
朧月

何もかも愛のために許せるわけもなく
あなたがつまらなさそうに出かけるのをとめることも出来ず
どっちもどっちな夜はふける

こんな風に両親だって不仲になったのじゃ と
おもいあたるふしはあったとしても
それで変えられるものでもない

なにか言いたげなあなたはなにも
言わずにドアの向こうに消えた
この声をかけないことで
何年も気にするのだろうか

テーブルに残されたグラスに
ふれたらあなたの香りがしそうで
遠くからみていた いつまでも
なにが言いたかったのかあてるように

早く朝になればいいのにな
新しい空気が吸いたいよ

別々の場所の夜のまま
一緒の朝をむかえよう
どうせあなたはもどるのだし
換気扇まわして待っていよう

なにもかも愛のために許しはしないけど
あなたがかえってくるのを迎える
それが私の役目だと いつも
あなたの連れてくる空気に想う





自由詩 換気扇 Copyright 朧月 2010-02-10 22:11:04
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