ぐっすり消化する
KETIPA

そして彼は吸収された
吐き気のする赤色の肉をしたたらせて
眠っている針葉樹林
脳を想像したことのない微生物の饗宴が
夜行われている赤い
肉は彼に吸収された

同調する振動が落ち葉
茶色くふやけて音楽的でない
時間を早送りしても変化は遅々とし
 やまぬ
雨の代わりに雪は降って

点々と明かりの
したたらせて夜は赤い
つぶやいて
泡を口ずさむ針葉樹林
水滴と共に浮遊していった無数の肉体

彼らが科学の自覚はない


散布されていく彼は明かり
呼び寄せられて泡と振動の絶え間ない
 鳴る夜
少しだけ和音の兆しで
月は参加しない

枯れ葉と若葉の散る緑
やがて
夜は赤くない


この次の彼まで


自由詩 ぐっすり消化する Copyright KETIPA 2009-11-27 23:17:28
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