二人芝居
アオゾラ誤爆

呼吸を実感したくて
息を止めると
きみはどうしたのと笑った
どうもしてないよ
ただ
死んでみたくなっただけ
そう言って僕も笑った

昨日僕が鍵を閉めた
空調の整った部屋
まるい天井があまりに遠くて
うつむいた
こっそり泣いても
バレないんだろうけどね

好きなだけ奪って
理想のフォルムになるまで
探し続けることもできるよ
きっと二人なら
だけどもう要らなかった
日記は綴じて燃やして捨てた
灰になる思い出を数えては
上昇する忘却の線
たどる僕らの脚はちぎれた
声なんて
置いてきたんだ

僕らは
どこにも行かなかった

誰かの書いた脚本を
夢中で読んで眠る毎日
飽きるまでがこわかった
待つだけならば
壊したかった

傷だらけの両腕で
やっと掴んだ世界の終わり

きみは頬を染めて
なにか言いたげに僕を見た
白紙の地図に針を立てても
ふれていいのは心だけ

寒くて寒くて
凍えてしまうよ


自由詩 二人芝居 Copyright アオゾラ誤爆 2009-11-08 21:58:06
notebook Home 戻る  過去 未来