あちらのお客様からです
あおば

                    091106


時間軸が傾いたので
慌てて修理の電話したのですが
補正予算の執行が停止され
本年度は難しい
次年度以降に期待してくださいと
愛想の良い返事があって
切れた
時間軸が傾くと
独楽のように回転して
地球がみそすり運動をするのだろうか
すり鉢の筋は効率よく胡麻をするためと
信じていたのですが
胡麻の身になると
些か剣呑で
堅いセラミックで身を切られ
スリコギで押しつぶされて
身体の形を失って
カスとして捨てられる
お客様扱いをして貰いたいのではないが
もう少し丁寧に扱って欲しいものと
ガラス越しの目に訴える
紙に書かれた文字は
朽ちないように
ガラス容器に保存され
公開されることは滅多にないので
集められたお客様は一列に並び
順番が来る度に歩きながら
ディスプレイ上で眺めるか
新しい紙にプリントアウトしたのを
手に取って
しげしげと眺めるのですが
どちらのお客様も
夢中なので
時間軸の傾いているのに
気が付かれないようなので
再来年の予算に期待しております






「poenique」の「即興ゴルコンダ」投稿作、タイトルは、流川透明さん


自由詩 あちらのお客様からです Copyright あおば 2009-11-06 12:37:10
notebook Home 戻る  過去 未来