背中には向日葵
小川 葉

 
 
いつも僕の背中を見ていた
祖母がお日さまを見るように
僕の背中を見ていた
僕が祖母のお日さまだなんて気づく必要もなく
その眩しそうにしてる目に気づくこともなく
あるがままに輝いていた時があった
向日葵みたいな顔をして
お日さまが西の空へ沈むまで
ぼくが眠るまでずっと見ていた
この世界にはもういなくても
視線を背中に感じて
いつだってあなたのお日さまであり続けようとして
生きていけばいくほど
人生は厳しくなっていくとしても
かつて眩しい目で見つめていた
ぼくの背中の向こうには
いつもあなたが咲いていた
向日葵が咲いていた
今も咲いている
 
 


自由詩 背中には向日葵 Copyright 小川 葉 2009-10-22 05:11:14縦
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