屋上ナイフ
ゆうと



ほんとうにすぐ、
いちばんだいすきなものだって
すてられてしまうんだ
わかっていたんだ
だからこわいの
ぼくはぼくをすきになれない
きらいになれるじゆうがこわい

きみもいつだってしねるだろ
ぼくはいつだってころせるじゅんびをしているし
いつだってしねるんだ

ただ、しぬのはいつだってきみだ
ころすのはいつだってぼくだ
そういうのがせかいなら
じぶんなんてものはじつにたやすい

ぼくは
いつまでたってもいなくなれないし
いつまでたっても、しねないんだ


だからといって
それがなんだ
わからないんだ
ぼくにはぼくが

せかいであることでしかない。





自由詩 屋上ナイフ Copyright ゆうと 2009-10-15 22:07:57
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