『光る翳と翳る光〜The light is a shadow,and the shadow is l...
Leaf



The light is a shadow,…




ひらけた視界の先には広大な芝生の丘
所々禿げた剥き出しの地面の上を歩いた




だだっ広いその真ん中に二台のブランコ
小さく震えている傍から光が冷たい気配を誘っている
季節と季節の隙間から注ぐ翳を纏った燦々たるプリズム
僕たちの視界を遮るものは光る翳以外は何も無い




秋思患うその淋しさを浴びるように
光る翳にどことない安堵すらも沁みてゆく
不思議な感覚が我が血脈を行き渡り
先細る血管内を網羅しながら閉塞する意識を支配してゆく、
それはまるでモラトリアム



彩る木々の葉脈が鋭い光の切っ先に頑として透けないのは
通り過ぎるだけの季節を拒絶するかのようだった




飽和した光は翳り、中和した翳は光ってゆくのだ
それだけに今年の暖色は短く愛おしい




暫くしてふたつのブランコが翳る光に揺れた
少しだけ揺れ急いだように見えた





…and the shadow is light.


携帯写真+詩 『光る翳と翳る光〜The light is a shadow,and the shadow is l... Copyright Leaf 2009-10-11 16:03:01
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