秋雨
きゃとる

そう呼ぶには勢力が強く、些か風情に欠ける感はあるものの、私はこのような秋の夜長が堪らなく好きであり、また同時にその余りにも寂莫とした暗闇にいつも堪えられない。


私を喧騒からすっかりと隔て、ひっそりと真実を覗きこむ快感を守ってくれる秋雨。それは間違いなく私の味方だ。



しかし、明けることのない闇の中で永遠に続くかのような淑やかな雨音は、同時に私自身の逃れようのない呪わしき孤独の音色でもあるのだ。




散文(批評随筆小説等) 秋雨 Copyright きゃとる 2009-10-05 23:55:41
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