体操
あおば

              090910




朝起きると
ラジオ体操をする
ラジオ体操の番組を鳴らす
元気のよい小父さん小母さんの声で
目が覚める
ラジオ体操を聞き終わると
一日が終わったような気がして
あんしんして眠れるが
朝だから
眠っては居られない
あさだあさだと
声が弾んでいる
 あさだ
   あさ
 だ
   あ 
 さ だっ
  あ 

  だ
      あ
   さ  


 アサ

ただだっだ
ダッ


朝起きると
朝日が眩しい
一円玉のような天気だと
天気予報が語る
これ以上は絶対に崩れないよい天気なのだと
崩れないならば
雨が一日降っている日が崩れない日だと思ったが
崩れてしまったのは
対象外で
圏外で
無いのと同じなのだということだ
体操をしながら考える
これから仕事が始まって
お昼を食べて
夕方になり
やれやれと思うと
残業があり
それが終わる頃には
真っ暗になり
腹が空いて
もう誰も体操をしようとは思わない
整理体操をして
ストレッチをして
身体の疲れを癒したいと思う人は
駅前の整体に駆け込んで
着たまま15分コースを選ぶのだ
その後はなにをしてよいか分からないが
食事をしないと明日の仕事に差し支えるから
お財布の中身と相談してから
腹一杯食べて
文句を言われないうちに眠るのだ

朝起きると
ラジオ体操をしている人が居て
ラジオの音はいつも元気だ
元気な小父さん小母さんお兄さんお姉さんが
ぴょんぴょんとソラに向かって跳ねている
跳び箱を前に跳ぼうかどうか考えているうちに制限時間が来て
失格となった体操選手は
跳びたかったのだけと
タイミングが悪くて跳ぼうとしなかったので
跳ぶのが嫌いなためではないとみんな分かっているので
駄目な奴とメダル色の呪詛を投げかける
そのうちに番組も歌番組となり
跳んだり跳ねたりは優雅に楽しく行われるので
見ている人は安心してみていられるのです
ダダダッダ
ダッ












ダッ








「poenique」の「即興ゴルコンダ」投稿作、タイトルはred baseさん





自由詩 体操 Copyright あおば 2009-09-10 19:21:15縦
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