りんごの輪郭と甘み
ブライアン

無表情な紙を見つめていた。
彼女は、本を眺めている。
それから、ここはどこだろうか。

デザインは関係性である、と。
壇上に。それがあるいは、祖父であったように。

りんごの枝が空。輪郭をこわす。空の、枝の。
りんごの、それらのものの。
グラフィックが世界を意味づけてる。
言葉は、型とりの様だね、と。

いくつかの本を手に持って、
レジに向かう彼女。
は、長い髪を。
揺らしていた。

祖父が耕した山のりんご園から
2箱につめられたりんごが届いた。

こんなに食べられないよ、と吹き出した。

大きなメール文字を、
目を細めながら見る、老女の髪の毛が、
隣で揺れる。肩に触れる。

ぶつかり合うグラフィックが、
世界の輪郭を決めている、と
大きなメール文字に書かれる。
目を細めたのは、彼女だけじゃない。


自由詩 りんごの輪郭と甘み Copyright ブライアン 2009-08-30 21:17:45
notebook Home 戻る