どだいムリな話
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全ての制止を振り切り無理矢理娑婆に戻って7日間。十分に満喫できただろうか。
まあある意味幸せなのかも知れないが、それは本人にしか分からないな。
呑みたくて呑みたくって仕方なかった酒を好きなだけ煽った上に眠剤までブチ込んで再収監。
今度はいつ夢の中から還ってくるんだろうか。

彼の夢の中では家は3階建てで家畜に豚と牛を飼っているらしい。
しきりにその豚や牛を心配していたが、最終的には犬がいるから大丈夫だと言っていたっけ。
猫の額ほどの庭付2階建ての我が実家は数年前から時間が止まったまんま、ひっそりと息を潜めております。
仏壇の隣にある地デジ対応のテレビだけが妙に浮ついた感じでどうにも居心地悪そうにしているけれど。

アンタの言うところの常識からすればオレはきっと犯罪者扱いなんだろう。
ナルホド確かにそうだ。オレは誰かの為になんか生きていない。
先のことはぜえんぜん分からないけれど、これからもそのつもりだ。

朝方に降った雨に乗せて洗いざらいを打ち明けてしまったけれど、実際のところあんまり憶えていないんだ。
それに重要な話なんて何にもなかったような気もするし。
頼むから余計なことだけは言わないでくれよな。
それもこれも含めてみいんなそうだ。

どだいムリな話


散文(批評随筆小説等) どだいムリな話 Copyright BOOKEND 2009-07-17 14:40:27
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