夏嶋 真子




 わたしの中の真昼の闇
 闇の中の狼の虹彩
 虹彩の中のおまえの影
 ふるえている

 耐え切れない心を
 掻き毟るための
 1/4拍子を宿した指先

 どうかわたしの爪を切って
 おまえの心音に近づけるように
 
 深爪があつくて
 じんじんと絞られ
 風化をはじめる玻璃の森

 青い鳥よ、足元で泣け

 わたしは見向きもせずに
 からからの咽を捨てて歩く
 乾いた声がこだましている

 (この罅割れたかかとが 心の所在なのですか )

 
 

 わたしが欲しいものは
 花の奥へとのぼりつめ
 つまさきがはねた場所に広がる、
 
 ヒマラヤの空

 地上の理を解き放って
 青を破る青、
 成層圏へと落ちてゆく

 
 わたしの中の高温
 高温の中の悲鳴
 悲鳴の中の静寂

 その静寂の中のおまえが
 やはり影であると知って
 わたしは泣く

 捨てたはずの咽を
 しとしとと 鳴らして






携帯写真+詩Copyright 夏嶋 真子 2009-06-15 05:06:01
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