海はこわい
ふるる

振り向くと沖に知らない人ばかりになってこわい

貝の表面についてる回虫みたいな模様がこわい

高波が何でも持っていこうとするからこわい

クラゲが知らないうちに沢山わいてこわい

あがると身体がずしりとなるからこわい

ウニが痛そうなのに美味しくてこわい

急に深くなって見えないからこわい

眠ると記憶がなくなるからこわい

ナマコが内臓を出すからこわい

昆布がいやらしいからこわい

自分が塩味濃い目でこわい

フナムシが俊敏でこわい

砂が取れなくてこわい

左右がなくてこわい

潮の匂いがこわい

入道雲がこわい

太陽がこわい

変でこわい

こわいわ

こわい

怖っ

わ。

そういうもの全部
作戦もなく抱き込んでいるからこわい

そこから逃げ出して
おぼつかなく地上に這いつくばって変なものを紙にだらだらと書いてる五本指の自分も
こわい。







未詩・独白 海はこわい Copyright ふるる 2004-08-31 14:19:56
notebook Home
この文書は以下の文書グループに登録されています。
****印象詩っぽい*****