書くワークショップ 荻窪での4回目を終えました。
今回は参加人数が6人でした。参加されたみなさま、ありがとうございました。
書くワークショップは、みんなでことばを出し合って、出てきたことばから創作をしようというワークショップです。
今回のテーマは音でした。
音をイメージしてもらい、そこから作品を作っていただきました。
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<たたいてみる>
参加された皆さんに、音の出るものを持ってきていただき、さまざまな物をたたいてもらいました。
図工会議さんがチバトリで行なった、物をたたくワークショップのアイデアをお借りしました。
>> 図工会議 in バチ
http://www.wican.org/2008/chibatori/archive/2008/11/24210938.php
図工会議さんは千葉ではバチを使ったワークをされていたのですが、今回集まったものは
お惣菜のパック
太鼓
お箸
ハンガー
ビニール袋
まごのて
ものさし
くし
など20種類以上。今回は時間の関係で室内でしかできなかったのですが、本当に楽しい音が鳴り響きました。
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<今回の創作>
今回の創作手順は、印象に残った音を元に文章やことばを書いてもらい、
別の人がその書かれた文章やことばをもとに、新しく自分の文章やことばを書いていただくという形をとりました。
そして、新しく書くときには、前の人が書かれた作品から聞こえてくる音にもうひとつ音を足してもらう、という形にしました。
一番初めに出たこんな作品から
猫のつめは
手にしっかりはまっているから
ひっかかれると痛いのだ
いったん 水滴のように
指から解放してやれ
すると
ぴちゃぴちゃとはね
部屋全体にしぶきがとぶ
床に寝ていたわたしの顔に
ひっかかり
わたしが目を覚ます
作:南川優子さん
この詩に、残りの5人のそれぞれ自分の音を重ねた結果にこんな作品ができました。
女の髭に猫の足跡
フェンリルをつなぐのはこんなにも簡単
見せもの小屋に行くまでもない
たたみがはりつく猫のあしのうら
梅雨どきの昼寝にピアノがぽつりぽつり
神々の黄昏はまだ遠い
作:白糸雅樹さん
白糸さんはこの詩を書かれるときに、
「猫がミルクをなめる音+雨+ピアノ+放送の終わったテレビのノイズ+歌声+猫の足音」
とイメージされたそう。
この中で、「猫がミルクをなめる音」だと白糸さんが考えられた南川さんの詩の音は「ブラシでハンガーをなでた音」。
ブラシの端にハンガーが引っかかる音を猫の足音に見立てられたそうです。
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今回の反省点は、途中から書くことの難易度が急に上がってしまったこと。
参加された方全員でひとつずつ音を足していったため、一番最後は6つの音をイメージしながらことばを書かねばならなくなったことでした。
もっとフレキシブルに、音を2つ程度に限定することができればもっと書きやすくなったなと思いました。
ある意味、3和音ってとても大切な概念だと体感できたことが収穫でした。
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次回のワークショップは6月20日です。
ご興味がありましたら、私信をいただけると幸いです。