人間か機械カ
電子ノ猫人
「我は人間か機械か」
私は天井を仰ぎ、自らに問うた
ヒトと言う形を持ちながら、心には穴が開いている。
心に穴を開けたのは他ならぬ人間だ、そして壊れたのもまた人間である私だ。
私は代替として機械であることを望んだ、機械になる事は心を半ば失った自分にとって苦痛に感じないと感じたからだ。
けれど、体は錆びて動かずソフトウェアは常時エラーを吐くオンボロと成り果てた
この機械は生まれながらにして欠陥品と成り果てた
ヒトの形、そしてヒトの記憶は機械である事よりもヒトであることをまだ望んでいたからだ。
ヒトと機械に挟まれた人間はゆっくりと自我を失っていき
人間らしい感情を殺し爆発しないよう生きる。
さながら原子力を動力とする機械の如く
さながら今は亡きチェルノブイリの4号機のように。
私は機械として生き、怨む事も憎むことも無く過ごせていくことを望んだ。
けれど私もまた人間である以上業を背負わなければいけない、ヒトであるが故に
私は天井を仰ぎ、改めて問い直した
「我は人間か機械か」