降下もしくは落下する
アオゾラ誤爆

ぽんぽん
前に歩いている人が花を落とす
私はそれを拾うのは癪なので踏み潰して進む
ああ夏が来てしまうんですね
となりにいる人にそう言うと
その人は
この世の終わりという顔をして
爆発して
死んでしまった

私は坂道が好き
だけど足が痛いのをがまんするのは嫌い
黄色か赤の自転車がほしい
すこしでも遠くにいけるように
長く眠っていられるように

こんこん
壁もドアもないのに音が聞こえたら
後頭部にすこしの刺激を感じる
私の後ろを歩いていた人は
土足ではどこにもあがりこめませんねと
私の心に砂をかけながら
清清しく
笑った


昨日散った花がなぜかまた咲いている


さっきまでとなりにいた人の名前を
思い出せなくなった私は
仕方ないので
立ち止まって
泣いた


自由詩 降下もしくは落下する Copyright アオゾラ誤爆 2009-04-19 21:52:14
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