創書日和「卵」
ゆうと



ぼくのこころがたまごだとして
それをてのひらにのせているとする、


割れないように
慎重に
きいろのなかみを
落とさないように
やさしく
やさしく

―― やさしくなれるかな



ぼくのこころがたまごだとして
それをてのひらにのせているとする、


いますぐ殻を
突き破ってしまいたい
その衝動で
駆け抜けたい

―― ゆけるところまで



ぼくのこころがたまごだとして
それをてのひらにのせている と したら、


きいろのなかみは
なくさないよう
その衝動で
駆け抜けて
ぼくは


やさしくなりたいと
おもう

やさしくなろうと
おもうんだ



つつみこむ
やわらかく
あたたかい
てのひらで


うまれる
ちいさな
ひよこが
あたらしい
ぼくだ





自由詩 創書日和「卵」 Copyright ゆうと 2009-04-12 22:56:44
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